学ぶ(まなぶ)と真似る(まねる)

学ぶは、「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似 る)」とも同じ語源である。

そのため、学ぶの語源は「真似ぶ(まねぶ)」とされることも多いが、「まなぶ」と「まねぶ」 は同じ時代に見られる語で、その前後関係ははっきりしていない。

(語源由来辞典)

 

将棋でも「棋譜並べ」という、練習方法があります。過去の対局の棋譜を、自分だけでひたすらに指し進めていく練習方法です。

 

バスケットボールはハビットスポーツと呼ばれる習慣のスポーツです。習慣のスポーツとは意識せずともある行動がとれるようになる。ということです。

バスケットボールをし始めたときは、ドリブルやパス、シュートといった基本的な動作でさえ、そのことを意識しなければ、行うことは難しかったはずです。

フロントチェンジのときはこう、手の向きはこう。といったように。

シュートのときは足の向きがこうで、膝を曲げて、そのタイミングでボールがここで、肘がこうで、指先でこうする。のような。

慣れてきて一通りできるようになると、そこまで意識しなくても概ねできるようになってきます。

 

そうなるとまた次の課題に直面します。それまではクローズドスキル(自分個人の技術力)の鍛錬だったものが、いざゲームになると、相手ディフェンスがいるオープンスキル(対人の技術)となることにより、個人練習してきたものが、ゲームではなかなか発揮できないようになります。

オープンスキルは様々な局面があるのでそれこそ経験の多いほうが、対処してきた回数やその成功例を知っているので、有利に働く場面も多々あります。

そういった面が、ハビットスポーツ(習慣のスポーツ)といわれる所以であるのかなと思っています。

 

では、経験するためにはたくさんの時間が必要なのか。というと、そうではなく、冒頭に出てきた真似るという方法は、非常に有効な方法と思います。

他の人がおこなったプレーで成功例があるならばそれをそっくりそのまま真似てみる。カッコイイなと思うプレーがあるならば、それを真似てみる。まずはそこから始めてみる。

クローズドスキルとして習得するために、目で観て確認し覚えてやってみる。

何もないところから始めるよりもよっぽど効率がよいです。

 

棋譜並べも、対局時間が数時間という長い時間のものが数十分でできます。同じ棋譜でも大まかな流れを掴み、自分では思いもよらなかった一手の意味がわかるようになってきます。そうして少しずつ他人の指し筋が自分の指し筋へと変化していきます。

 

バスケットボールの練習も、同じようなステップでも、何度も繰り返し行うことでよりスムーズな動きへと洗練されていくことでしょう。無駄な動きが減りより効率よく動くということは、ゲーム中での活躍に繋がっていくと思います。

 

他人のプレーをよく見ているプレイヤーは、上達が早いのはそういったことも関係があるのではないかと思っています。

自分がプレーをするだけではなく、他人がプレーをしていることそのものでさえ、自分の技術習得の一助になるのですから。

 

真似ることから学ぶことはたくさんあると思っています。