4月6日に考えたこと
日本時間4月6日。
とても楽しみにしていたことがありました。
八村塁と渡邊雄太の日本人両名がコートに立つかもしれないゲームとなるはずでした。
はずでした。と書いたのは、残念ながら八村塁が右肩の怪我で試合出場ができなかったためです。
前回の対戦では渡邊雄太の足首捻挫のため、出場できず。
今シーズンでの対戦で残すは5月7日の対戦となるため、両名には健康に過ごしてもらいたいと、切に願います。
あらためて、コンスタントに活躍するということを考えてみました。
怪我なく過ごすことはもちろん、精神的、心理的な影響もプレーの質に関わってくる大きな要素だと思います。
ただ単に、バスケットボールの技術やスキルだけの向上ということではなく、心身ともに健やかに過ごすということも、プレイヤーが活躍するためには大事なことなんだと思います。
それは、例えば試合の前日だけ身体のケアをするということではなく、平時の日常から心がけることは、大きな差となることかもしれません。
3月11日
こんにちは。
今日は3月11日です。
10年前の今日、東北をはじめ東日本に大きな地震が起きました。
地震の規模を表すマグニチュードは9.0(阪神大震災は7.3)。戦後最大の規模となりました。またその後の津波により被害が拡大しました。
10年前の今日、何をしていましたか?
ぼくは、2時43分時点では、地下の会議室で会議をしていました。大阪の地下でも揺れが感じられるほどでした。昨日のことも思い出せないこともあるのに、10年前の今日のことは今でも覚えています。
この一年程度はCOVID-19、いわゆる新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、スポーツはおろか複数人のひとが集まることでさえ、ままならない時期がありました。
このほんの最近は、バスケットボールをプレーすることも、日常に戻ってきた感じはあります。
当たり前と思っていたことが当たり前でなくなることが、現実にあるのだなと思うと、シュートひとつ、ドリブルひとつ。当たり前ではないのかもしれません。
こんなときしか日常に感謝する日はないですが、年に数日だけの「なにもない」ことへの感謝をする日かなと、おもいます。
先発と控え
2021年3月4日(日本時間)にNBAトロント・ラプターズ所属の渡辺雄太選手がキャリア初の先発となりました。
バスケットボールの単語では、
スターター。セカンドユニット、ベンチメンバー。といったように言われることが多いです。
日本の学校の部活の中では、うまい人が先発でそれ以外が控え。のようなイメージで捉えられることが多いと思います。
私個人的には少しずつ役割の違いがあると思っています。
スターターの条件
ひと言でいうと、大きな波がない選手。コンスタントにプレーができる。浮き沈みの少ない。
こういった選手が選ばれると思います。もちろんハイレベルのコンスタントな活躍であればあるほど、良いと思います。
それは、オフェンスだけに限ったことではなく、コンスタントにディフェンスの活躍が見込める選手。も当てはまります。
セカンドユニットの条件
スターターは良くも悪くもある程度計算ができる選手とも言えます。
スターターが出続けることができればよいのですが、タイムシェアをしたほうがチーム全体のパフォーマンスが安定します。
セカンドユニットの考えで求められるのは、「そつなく繋ぐ」ということです。
今の得点差を縮めることや広げることを目的にするのではなく、大きく広げられない範囲でついていく。そういったイメージが大切です。もちろん、広げることや追いつくことができれば、良いと思うのはありますが、「そつなくプレーした結果」そうなった。という考えは大切かと思います。
セカンドユニットを含めたベンチメンバーの条件
対戦相手の傾向から、もう一息何かが足りないな。というポイントが出てきます。
外角のシュートが少ないな。
ドライブの切れ味がほしいな。
リバウンドの勝負が心もとないな。
相手のあの選手だけもう少し止めたいな。
とか、ほんとピンポイントのことが試合の結果や流れを左右することがあります。
そのピンポイントの求められていることを遂行することができる。ということを求めています。
3分間だけリバウンドの競り合いをとても頑張ってくれる。
限られたポゼッションで3ポイントのアテンプトを増やしてくれる。
相手の得点源の選手を2分間だけパフォーマンスを落としてくれる。
バスケットボールはチームブレーの競技です。
コートに出ている5人の組み合わせでさまざまなスタイルを体現できる競技です。それは、ベンチに入っているロスター全員で作り出す。そういったものです。
スターターでプレーする渡辺選手とセカンドユニットでプレーする渡辺選手。
役割でいうと少しだけ違いがあると思います。
学ぶ(まなぶ)と真似る(まねる)
学ぶは、「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似 る)」とも同じ語源である。
そのため、学ぶの語源は「真似ぶ(まねぶ)」とされることも多いが、「まなぶ」と「まねぶ」 は同じ時代に見られる語で、その前後関係ははっきりしていない。
(語源由来辞典)
将棋でも「棋譜並べ」という、練習方法があります。過去の対局の棋譜を、自分だけでひたすらに指し進めていく練習方法です。
バスケットボールはハビットスポーツと呼ばれる習慣のスポーツです。習慣のスポーツとは意識せずともある行動がとれるようになる。ということです。
バスケットボールをし始めたときは、ドリブルやパス、シュートといった基本的な動作でさえ、そのことを意識しなければ、行うことは難しかったはずです。
フロントチェンジのときはこう、手の向きはこう。といったように。
シュートのときは足の向きがこうで、膝を曲げて、そのタイミングでボールがここで、肘がこうで、指先でこうする。のような。
慣れてきて一通りできるようになると、そこまで意識しなくても概ねできるようになってきます。
そうなるとまた次の課題に直面します。それまではクローズドスキル(自分個人の技術力)の鍛錬だったものが、いざゲームになると、相手ディフェンスがいるオープンスキル(対人の技術)となることにより、個人練習してきたものが、ゲームではなかなか発揮できないようになります。
オープンスキルは様々な局面があるのでそれこそ経験の多いほうが、対処してきた回数やその成功例を知っているので、有利に働く場面も多々あります。
そういった面が、ハビットスポーツ(習慣のスポーツ)といわれる所以であるのかなと思っています。
では、経験するためにはたくさんの時間が必要なのか。というと、そうではなく、冒頭に出てきた真似るという方法は、非常に有効な方法と思います。
他の人がおこなったプレーで成功例があるならばそれをそっくりそのまま真似てみる。カッコイイなと思うプレーがあるならば、それを真似てみる。まずはそこから始めてみる。
クローズドスキルとして習得するために、目で観て確認し覚えてやってみる。
何もないところから始めるよりもよっぽど効率がよいです。
棋譜並べも、対局時間が数時間という長い時間のものが数十分でできます。同じ棋譜でも大まかな流れを掴み、自分では思いもよらなかった一手の意味がわかるようになってきます。そうして少しずつ他人の指し筋が自分の指し筋へと変化していきます。
バスケットボールの練習も、同じようなステップでも、何度も繰り返し行うことでよりスムーズな動きへと洗練されていくことでしょう。無駄な動きが減りより効率よく動くということは、ゲーム中での活躍に繋がっていくと思います。
他人のプレーをよく見ているプレイヤーは、上達が早いのはそういったことも関係があるのではないかと思っています。
自分がプレーをするだけではなく、他人がプレーをしていることそのものでさえ、自分の技術習得の一助になるのですから。
真似ることから学ぶことはたくさんあると思っています。
なりきってみる。ということ。
劇の中では、様々な登場人物があります。
物語の進行には欠かせない人たちです。
なれないうちは恥ずかしさもあるかもしれません。
それでも物語の中で与えられた役割をしっかりと遂行することは大切なことです。
鬼を懲らしめるのが怖いから、鬼ヶ島へ行かない桃太郎。では、物語が進みません。役割があるからです。
現実に演じている人が怖がりでも、物語の桃太郎は勇気があるように見えたほうがきっと良いでしょう。
気の強い人が演じる桃太郎と、人当たりの柔らかい人が演じる桃太郎は、同じ役割があるにも関わらず、きっと異なった演じ方になると思います。
役割さえきっちりと果たせられれば、そのどちらの桃太郎も、演者の違いの味が出るのが、良いのだと思います。
(劇団四季でも主人公の演者は二人いたりして、好みがきっと分かれてるのだと思います。)
その人らしさが出るのは、組織としてはとても良い状態だと言えると思います。
役割が変わらず演者が変わることによって、思いもよらない化学反応が起こる可能性を秘めていると思います。
大切なのは、
その役になりきる。
与えられた役割にはどのような意味があるのか。それを表現するために、自分にはどのようなことができのか。しっかりと向き合うと、いつもとは違うものが見えてくるかもしれません。
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心理的安全性を高めるためには。
3つのキーポイント
① 対人関係上のリスクをとったとしても安心できること
・効果的なコミュニケーションをはかる
・守秘義務を負う
・選手に対して偏った判断をしない
② いち個人として尊重されていると感じること
・うわさ話をしない
・ポジティブフィードバックはいつでも、ネガティブフィードバックは個人に与える
・建設的なフィードバックを与える
・選手の提案を受ける
③ 自分がチームの一員であると感じられること
・先入観や偏見なく接する
・目標設定や意思決定の場に選手を取り込む
・具体的な責任を与える
・選手のフィードバックを受ける
心理的安全性の測定方法(7つの質問)
1.チームの中でミスをすると、 たいてい非難される。
2.チームのメンバーは、 課題や難しい問題を指摘し合える。
3. チームのメンバーは、自分と異なるという理由で他者を拒絶することがある。
4.チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
5.チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
6.チームの誰も、自分のことを意図的に貶(おとし)めるような行動をしない。
7.チームのメンバーとバスケをする時、自分のスキルと能力が尊重され、活かさ れていると感じる。
ぼくの思うコーチの役割
「コーチ」という語は、ハンガリーのコチ(Kocs)という町の名に由来する。コチは四頭引きの四輪大型乗合馬車が走った最初の地であった。そこから「人を目的地に運ぶ道具」がコーチであるとみたイギリス人学生が、スポーツ指導者をコーチと呼ぶようになったといわれている。
(ウィキペディアより引用。)
小さな一人乗りを「カート」。二人乗りを「クーペ」。と呼ぶそうです。
現代の乗り物の名前にも通じています。
ぼくに指導依頼があったときに聞いていることがあります。
「どんなことに困っている?」
「どんなプレーがしてみたい?」
の2点です。
コーチの役割は「その人の目的地へ安全に早く到達すること」と思っているからです。
馬車の行きたいところに、行きたいように連れて行くのではなく、乗っている人が主体でなければいけないと思っているから。
目的地がはっきりとわからないこともあります。指導依頼をしてくる方はそういった方が多いです。何から手を付けてよいのかわからない。ということです。
大阪観光を案内するとき。
ここは抑えときたいよね。っていうスポットがあります。最初からディープなところをおすすめはしないのと同じように。
バスケットのスキルで、ここは抑えときたいよね。というポイントをまずは練習します。あくまでも、練習する側に立ったおすすめがあります。
コーチの役割は、「教えることが役割ではない」。と、常に言い聞かせています。
様々な引き出しの中から、なぜそれを出してきたのか。ということは、練習をする上でとても大切だと思っています。
納得性があるのか。必要性があるのか。
限られた練習時間の中でポイントを抑えた効率性を高めることができたのか。大事なことを伝え忘れていないか。コーチ側の独りよがりの指導になっていないか。よく観察できたか。
毎日振り返って考えるのも大切な役割と一つと思います。